台湾のトロピカルフルーツと関連の農産物加工業者の海外販路開拓に協力するため、農業部(日本の農林水産省に相当)が9日、台南市、経済部国際貿易署、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター)と共に「台南産トロピカルフルーツと加工品の国際買い付けデー」イベントを開催した。イベントには日本、韓国、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、米国、カナダの7カ国からやって来たバイヤー14名が参加、台湾のサプライヤー37社と115回にわたる1対1の商談会を行った。会場にはマンゴー、バナナ、ドラゴンフルーツ、グアバ、パパイヤ、ライチなど台湾のトロピカルフルーツで人気の果物が陳列された。10日には主催者側の手配でバイヤーたちが台南市内のマンゴー畑と工場を参観した。
マンゴーやパイナップルなど台湾のトロピカルフルーツが長年の海外向けプロモーションなどで高い知名度と評価を獲得する中、中華民国対外貿易発展協会は今回外国の専門的なバイヤーを台湾に招待。主な買い付け対象はマンゴー、パイナップル、バナナ、ライチ、ブンタン、グアバなど新鮮な果物だが、冷凍フルーツや無添加のドライフルーツにも需要があるという。重要なバイヤーは韓国最大のフルーツ輸入販売会社であるJINWON、世界的な農産物商社であるシンガポールのPRIME MART、オーストラリアで台湾産マンゴーの最大顧客であるAQUA STAR、創業70年を超える日本の食品輸入商社DAH CHONG HONG、カナダで台湾の食品を輸入している大型スーパーマーケット「国華」などで、これら業者は台湾では興味のあるフルーツや長期的な提携が可能な提携パートナーを探すという。
今回訪台したバイヤーはみな買い付けに強い意欲を示しており、台湾のサプライヤーのビジネス拡大が期待される。日本のバイヤーは高級なドライフルーツのギフトが気に入ったほか、マンゴーをそのまま2つに切って作った新製品のアイスキャンデーにも興味を示し、サンプルを取り寄せることになった。韓国の輸入パイナップルは9割以上がフィリピン産だが、台湾産のマンゴーやパイナップル、バナナなどのトロピカルフルーツは韓国では関税面で優遇されることで競争力があるという。台湾産のアップルマンゴー(愛文芒果 アーウィン種)は韓国の富裕層にとって競争力があるほか、業者はパイナップルをさらに追加で買い付ける意向もあり、積極的に見積もりを求めていた。またシンガポールのバイヤーは台湾のドライフルーツの品質が安定していることを評価し、現地のスーパーマーケットでの販売に向けて交渉したという。
輸出が常に好調なマンゴーとパイナップルのほか、一部バイヤーはライチやシャカトウ(釈迦)など新たな商品にも興味を示し、生産期や価格について積極的に問い合わせる姿が見られた。カナダのバイヤーは、国内の華人社会は台湾の新鮮なフルーツにかなり詳しいとし、ビジネスチャンスは大きく、市場も安定して成長していることからマンゴーやグアバ、ドラゴンフルーツ、ブンタンなどにも買い付け品目を広げる考えを示した。